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喜多村 茜; 石川 法人; 近藤 啓悦; 山本 春也*; 八巻 徹也*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 460, p.175 - 179, 2019/12
被引用回数:3 パーセンタイル:32.64(Instruments & Instrumentation)高速重イオン(SHI)がセラミックスに真上から入射すると、SHI一つに対してヒロック(ナノメートルサイズの隆起物)が一つ表面に形成される。一方で近年、SHIがチタン酸ストロンチウム(SrTiO)や酸化チタン(TiO)の表面をかするように入射した場合、表面にはイオンの飛跡に沿って連続的に複数個のヒロックが形成されると報告された。これらは原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察されており、観察結果にはAFMのプローブ寸法由来の測定誤差を含んでいる。そこで本研究では、ヒロックのサイズより十分小さい分解能(1.5nm)を有し、非接触で観察可能な電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて連続ヒロックを観察する手法を検討した。本発表では成功した連続ヒロックのFE-SEM観察結果とともに、AFM観察との比較を通して連続ヒロックの形状を報告する。
喜多村 茜; 石川 法人; 近藤 啓悦; 藤村 由希; 山本 春也*; 八巻 徹也*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 44(3), p.85 - 88, 2019/06
高速重イオンがセラミックスに真上から入射すると、イオン一つに対してヒロック(ナノメートルサイズの隆起物)が一つ表面に形成される。一方で近年、SHIがチタン酸ストロンチウム(SrTiO)や酸化チタン(TiO)の表面をかするように入射した場合、表面にはイオンの飛跡に沿って連続的に複数個のヒロックが形成されると報告された。これらは原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察されており、観察結果にはAFMのプローブ寸法由来の測定誤差を含んでいる。そこで本研究では、ヒロックのサイズより十分小さい分解能(1.5nm)を有し、非接触で観察可能な電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて連続ヒロックを観察し、形状の違いを検討した。SrTiOはNbを添加することで電気伝導性が発現する。SrTiO(100)とNbを0.05wt%添加した単結晶SrTiO(100)に対し、350MeVのAuビームを、単結晶表面に対するイオンの入射角が2度以下となるよう照射した。照射後のFE-SEM観察によって、SrTiO(100)表面には長さ数百nmにわたって直径20nmのヒロックが連続的に形成されていた一方で、Nbを添加したSrTiO(100)表面では、ほぼ同じ長さで凹状に溝が形成されていることがわかった。これらの形状の違いは電気伝導性とそれによる熱伝導性の違いが起因し、イオントラックの温度が融点付近になるSrTiO(100)ではヒロックが、昇華温度にまで上昇するNb添加SrTiO(100)では溝ができると考えられる。
石川 法人; 田口 富嗣*; 大久保 成彰
Nanotechnology, 28(44), p.445708_1 - 445708_11, 2017/11
被引用回数:22 パーセンタイル:68.85(Nanoscience & Nanotechnology)近年、照射材料工学研究グループは、高速重イオン照射したセラミックスの表面ナノ構造(ヒロック)を透過型電子顕微鏡で直接観察できる手法を初めて開発した。この手法を用いた観察の結果、非晶質化する材料であるYFeO(YIG)ではヒロックも非晶質化していること、一方、非晶質化しないCaF等のフッ化物ではヒロックも非晶質化せず結晶性を有していることを発見した。さらに、YIGではヒロックの直径とイオントラック損傷の直径が同じであるのに対して、フッ化物ではヒロックの直径がイオントラック損傷の直径より常に大きいことを見出した。非晶質化する/しないという材料特性が、照射で形成されるナノ構造の寸法に影響を与えるという結果は、イオンの飛跡に沿って局所的に融解した後の再結晶化プロセスの有無が最終的な損傷形態を決定しているというシナリオで全て説明できる。
石川 法人; 田口 富嗣*; 喜多村 茜
no journal, ,
本研究では、YFeO(YIG)を研究対象として、高速重イオンが照射された際にセラミックス表面に形成されるナノ隆起物(ナノヒロック)の形成メカニズムの解明に取り組んだ。透過型電子顕微鏡(TEM)を駆使することでナノヒロックの寸法を正確に計測することができるようになる。そこで、イオンから固体中の電子へのエネルギー付与密度(電子的阻止能)を20-35keV/nmの領域で変化させたときの、ナノヒロックの寸法変化を分析した。その結果、ナノヒロックの断面積が電子的阻止能に対して線形に増加するとともに、高さもまた、線形に増加することが判明した。ナノヒロックの断面積は、局所溶融した領域の面積に相当することが分かり、既存の熱スパイクモデルで説明可能なことが分かった。一方で、ナノヒロックの高さの電子的阻止能依存性の結果を説明するには、局所溶融した領域の面積だけでなく、局所溶融している時間を考慮する必要性があることが示唆された。